///第2章///
簡単な占い編(その1)
スリーカード・スプレッド
準備することは前回までに書きましたので、今回はスプレッドを中心に話をします。
使うスプレッドはスリーカード・スプレッドです。
文字通り3枚のカードを使って占いをします。シンプルですが、案外深い見方ができるスプレッドですよ。
単純にイエス・ノーを知りたい方は大アルカナカードだけで占っても結構ですが、もう少し詳しく占ってみたい方は、ぜひ小アルカナカードも使って下さい。
ちなみに後々のことを考えたら、最初から小アルカナカードを使ったやり方に慣れておいた方が、私はいいと思います。
まずスプレッドのイメージをつかんで頂くには画像を見て貰った方がいいでしょう。
右の画像を見てください。こういう風に並べます。
ではやり方ですが・・・
■ まず質問を明確にします。漠然とした問いには
漠然とした答えしか返ってこないことを心得て下さい。
■ カードをシャッフルしていったんまとめます。
■ 上から3枚のカードを左から順に、裏向きのままテーブルに並べます。
■ 1枚ずつ表に返してリーディングしていきます。
いっぺんに3枚とも表に返してしまっても構いません。
さてサンプルにしたがって解説します。
これはある男性に「最近知り合った女性とこの先、上手く付き合っていけるか
(恋愛関係になれるか)?」という質問を受けた時のものです。
サンプルでは次の3枚のカードが出ていますね。
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1.ペンタクルスの8
2.ワンドのナイト
3.正義
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まずこの3枚の内容に注目します。
正位置・逆位置の割合はどうでしょう?
この場合3枚とも正位置ですね。
ということは肯定的な答えが出ていると思って結構です。つまり「上手く付き合っていけるかどうか?」ということに関してはYESですね。
ちなみにすべが逆位置だったらNO。
正位置2・逆位置1ならわざと上手くいかないような振る舞いをしないかぎり
YES、正位置1・逆位置2ならこのままの流れでいけば難しいが、努力次第ではな
んとかなるという感じですね。
では次に大アルカナカードと小アルカナカードの割合を見ます。
ここでは小アルカナカードが2枚に大アルカナカードが1枚ですね。よってこの流れは強くもなく弱くもないというところでしょうか。
もし大アルカナカードが2枚以上出ていたら、ほとんど選択の余地無くその流れの方向で物事は進みますし、すべてが小アルカナカードでしたら、まだまだ不確定要素が多く、流れを意志で変えることは容易だということになります。
それが終わったら、今度はカードそのものを読んでいきます。
簡単なコツとして、小アルカナカードで問題の色合いを見て、大アルカナカードで形を見るという感じでしょうか。
小アルカナカードには4つのスートがありますが、その割合を見てみると、ここではペンタクルスとワンドが1枚づつですね。
ソードが無いので急激な状況の変化・予期せぬトラブルはあまり無いだろうと思えますし、恋愛問題にも関わらずカップが無いのは2人の仲は悪くはならないだろうが、少なくとも短期間で恋愛関係というほどには深まらないだろうと思えます。
スートの次に数字を見ると、8がありますね。
これはかなり物事が最終段階に近づいていますね。8は安定した数字です。
『ペンタクルスの8』の場合だと、こつこつ積み上げてきたものが形となってあらわれてくる様子が伝わってきます。
この男性は仕事を通じてその女性と知り合いました。
よってこれまで積み上げてきたその男性のキャリアが、その女性との仲を進展させるのにかなり役に立ちそうだと思えます。ペンタクルスは仕事をあらわすスートでもありますからね。
『ワンドのナイト』はコートカードですね。
これは質問者自身をあらわしているのでしょう。
かなり積極性が見えます。
彼は今後、あらゆるチャンスをとらえてその女性にアプローチしていくことでしょうね。
そして『正義』。
これがキーですね。唯一の大アルカナカードですから大きな意味を持つと考えられます。
実はこの男性は既婚者です。よってもし、その女性と恋愛関係になると不倫ということになりますね。
『正義』にはバランスをとる意味もあるので2人の相手を上手くコントロールしていくという見方もできなくはありませんが、それよりここはカップのスートが見あたらないということも含めて考えると、不倫にはならず、結局、この2人は仲の良い男女という程度の関係に落ちつきそうだという結論が見えてきます。
『正義』はかなり世間的な価値観が入り込んでくるカードでもありますし、恋愛においてはかなり厳しい印象を感じますからね。
ここには女性をあらわしそうなカードが無かったことにも注目すべきかもしれません。
きっとその女性にとって、この男性は頼りになる同僚で、好意的な感情も持っているでしょうが、恋愛の対象としては見ていないという感じですね。
・・・ということでリーディングのやり方がわかってきましたか?
3枚だけでもいろんな要素を考えると、多面的な見方ができるものです。
常に他のカードとの兼ね合いを考えることを忘れないようにしてください。スプレッドはワンオラクルの集まりではありません。
ここであげたのは、あくまでも私のやり方ですが、みなさんはみなさんなりにやり方を発展させていってください。
自分なりのやり方を確立するということも、このタロット占いには大切なことです。
最初にしては難しかったですか?「ちっとも簡単じゃないぞ」って言われそうですね。
小アルカナカードも入れたやり方だったのでその意味でも大変だったかもしれません。
慣れるまでは大アルカナカードだけで占いましょうと書いてある解説書も多いですが、それは結局、小アルカナカードも使った78枚でのタロット占いに到達するには遠回りだと思っています。むしろ最初から78枚を当然と思ってやった方がタロットカードの全体像を早く把握できるでしょう。
ということで今後もこのタロット占い講座は、初級講座とはいえ、小アルカナカードも含めたやり方をメインに取り上げていくつもりです。
ちなみに蛇足気味ですが、小アルカナカードが把握できないで困っている人のために「超簡単な小アルカナカード把握法」を用意しました。
どうか参考になさってください。
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