///第4章///

やや難しい占い編(その1)

ケルト十字スプレッド 1

 では今回からまたスプレッドの紹介に戻ります。
 以前の「簡単な占い編」では比較的カードの数が少なくて各カードの位置の意味もわかりやすいスプレッドを選んでご紹介しましたが、これからしばらくは、もう少しだけカードを多く使った占いをやっていきます。(もちろん、今回に比べ、以前のスプレッドの効力が薄いという意味ではありません)

 大アルカナカード22枚だけでもやれるものもありますが、できれば78枚で挑戦して下さい。

 ということで、まず最初はオールマイティでポピュラーな「ケルト十字スプレッド」からいきましょう。
 とはいえ、タロット占いを長くやっているとこれがかなり奥深くて、決して易しいスプレッドではないということが身に染みてわかってきます。
 ぜひ皆さんのレパートリーに加えていただき、それぞれに研究してみてください。

 ところでケルト十字スプレッドは、あまりにもポピュラーなだけに、占い師さんによってそれぞれやり方が違いますよね。各カードの位置の意味やカードを置く順番、さらには置く枚数も違うことがしばしばです。
 これは今までも何度か触れてきたタロット占いのフレキシビリティのあるところで、決して悪いことではないとは思うのですが、タロット占いにまだ慣れない方には何を基準に考えればいいのか、わかりにくいところがあるでしょう。
 それに対する最も良い対処法は、ある程度慣れるまでは、どれかひとつの方法を選んでそれだけをやってみるということです。

 選ぶ基準は、例えば解説本をもとに考えると、タロット占いに関する考えや実際の占いのやり方に共感できる著者のものを採用するというのが良いでしょう。それで慣れてきたら、細かいところを、徐々に自分の気持にしっくりくるやり方に変えていって下さい。

 ではここでは私なりのやり方を説明します。まずはサンプルの画像を見てください。形としてはこういう風に並べていきます。

 まずカードをシャッフルして、いったん手元にまとめます。
 次にトップのカードから一枚づつスプレッドしていきます。
 並べる順番は番号の通りです。

 ちなみに2枚目は左側が上になります。右側にカードの上がきたら、それは逆位置ということになります。

 ちなみにサンプルのものには以下のようなカードが出ていますね。
 各カードの位置の意味も合わせて書いておきますので、参考にして下さい。

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 ■1.「現在の状況、あるいは質問者自身のこと」
 <カップの6>
 ■2.「障害と援助」
 <ソードの9>
 ■3.「過去の状況、問題の原因」
 <ソードの4>
 ■4.「近い過去」
 <ペンタクルスのナイト>
 ■5.「おこりえる未来、予想している未来」
 <ペンタクルスのペイジ>
 ■6.「近い未来」
 <ソードの7>
 ■7.「質問者の本心、問題をどう捉えているか」
 <ワンドの8>
 ■8.「周囲に関すること」
 <ペンタクルスの6>
 ■9.「願望と恐れ」
 <ペンタクルスの5>
 ■10.「最終結果」
 <ペンタクルスの4>
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

 さて、ケルト十字スプレッドは大きく分けて左の十字の部分と右の4枚の部分に分かれます。
 左の十字は運勢の流れを表し、右の4枚はその流れを補足するものと考えれば理解しやすいでしょうか。
 ですから私は通常まず左の十字だけで全体を見てから、次に右の4枚を加えてさらに細かく見るというようにリーディングすることが多いです。

 ということで、次に各カードの位置の意味を見ていきましょう。

 ■1.は今現在を象徴するカードで、だいたいこのカードを見ると、問題の傾向が見えます。
 ■2.はおおむね、今見えている障害そのものをさすことが多いですね。たまに質問者があえて占者に言わなかった隠された事情があらわされることもあります。

 では、■3.の「過去の状況」と■4.の「近い過去」との違いはなんでしょう?

 実は番号で言うと■4.と■6.のカードは単純な時間の流れを表していますが、■3.と■5.は単に過去と未来に関することというより、心の世界での流れ、および意識レベルを表しています。
 つまり■3.は意識の奥にあり問題の原因に直結する事柄を、■5.は意識の表面にあって今後の流れとしてある程度、質問者自身にわかっていることを示しているわけです。

 ですから、ここを見ることによって質問者の直面している問題の真の原因と、質問者がこの問題をどう見ているのか、「深刻かどうか」「本質が見えているかどうか」というようなことがわかってきます。
 ただし注意しなければいけないのは、このまま運勢が流れていく先にあるものはどちらかというと■6.のカードで示される事柄であって、■5.は、あくまでも「こうなるんじゃないかな」と質問者自身が思っている未来です。

 ■7.は質問者本人の意識。
 ということは、■5.のカードとも関連が出てきますね。
 違いといえば■5.がこの先を見た場合のことであるのに対し、■7.は今現在の問題に対し質問者が思っている事柄だということです。

 ■8.は周囲のこと。恋愛なら相手のことを表します。
 実を言うと、ケルト十字スプレッドは問題の大枠をとらえ今後の流れを見ることに適したスプレッドなのですが、例えば、恋愛問題などで相手の気持ちを推し量ったりするのは、やや苦手なところがあります。
 でも、その中でもこのカードなどは、その辺を少しは補足してくれるような気がしますね。

 ■9.は願望と恐れ。
 だいたい質問者の心の覚えのあることが出ますね。
 今の問題を再確認するようなカードです。

 ■10.は最終結果ですが、ただし、このカードだけで問題の行く末を判断すると逆に近視眼的になってリーディングを誤ることもありますから、キーになるカードだとぐらいに思って、最終的な判断は、他のカードとの兼ね合いを考慮して下してください。

 では次回は、サンプルのケルト十字スプレッドを簡単にリーディングしてみましょう。

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