///第3章///
タロット占い概論(その1)
今回はもっとも根源的なお話をしましょう。
「タロット占いってどういう占いなんだ?」ということです。
つまり「序章」でお話したことをさらに掘り下げてみます。レベル的には初級を超えるかもしれません。もし理解不能と思えばいったん飛ばして、いずれまた戻ってくるということでも構いません。
さて、「タロット占い」について説明するには、まず、いくつかの前提を受け入れてもらう必要があります。
■ 人の潜在意識の奥には普遍的無意識の領域があって、
そこにアクセスすることで様々なことがわかる。
■ 普遍的無意識は時間と場所を超越する。
■ 情報はイメージの形で蓄えられている。
■ シンクロニシティという現象はたしかに存在する。
ここまではOKですか?
では本題に戻りますが、タロット占いをするということは、第一段階として、以下のような事をするということになります。
様々な質問に対する答えは、質問された時にはすでに、心の中(潜在意識)に存在しているので、占者はタロットカードという道具を使ってそこにアクセスし、イメージの形で取り出す。
そして、それができたら次に、第二段階としてイメージを言葉という形に変換することになります。
つまり占者には、いかに明確なイメージを心から取り出してきて、それをわかりやすい言葉に翻訳できるかという2段階での能力が問われることになりますね。
いままでいろんなタロット占いを志す人たちを見てきて思うのは、イメージを取り出す能力を磨くことにはなかなか熱心なのですが、それを言葉にして伝える能力を磨くことに関しては熱心でない例が多いということです。
ですがいくら自分に明確なビジョンが見えていたとしても、それを相手に伝えることができなければ意味がありません。
またあなたがレベルの高い占いをしたいと願うのであれば、ただ単に伝えるだけではなく、質問者の人生をより良くする伝え方を考える必要も出てきます。(あ、これは「タロット占い初級講座」で言うようなことではないですね)
ただこれだけ言っておきますが、一般常識や世の中の仕組みについて、より具体的な知識をぜひ身につけてください。たくさんの人と接したり、多くの本を読んだりしなければなりません。
様々な質問者がいろんな悩みを訴えてきますが、要求するのは決まって具体的な答えです。
頭でっかちでもダメです。占いが扱うのは人生そのものですからね。
どうも厳しい話に偏りがちですね。ちょっと気分を変えますね。
タロット占いは決して一般にいうところの「神」や「悪魔」や「霊」などにお伺いを立てるような占いではありませんし、例えば、映画や小説でいかがわしい信仰に裏打ちされているような描写があったとしても、それはただの脚色に過ぎないということが言えるでしょう。
魔術とも関わりはありますが、不可分ではありません。
心を読む技術とも言えますので、健全な精神を持った人じゃないと、答えを出すのに途中で妙なフィルターがかかったりして良くありません。いろんなものに興味を持つのはいいでしょうが、邪悪な存在に心を奪われてしまっても占いには何の足しにもなりません。
また占星術などのように、専門的な知識はほとんど必要ありません。だいたい、この講座で扱っている程度の内容を知っているだけでも、十分な占いができるでしょう。
ただし、常に向上心を忘れないようにしなければなりませんけどね。
自由な発想と感受性の鋭さを持っていないと、答えが画一的になってきますから、注意が必要です。
もし占いの際に、自分が同じようなスプレッドばかり使い、ある特定のカードについても同じような解釈しかしていないようなら、自分の心が相当先入観に支配されているということですので、謙虚に反省してください。
そういう占いを続けていては、いつの日か、カードの流れから何のイメージも受け取れなくなってしまう日がきます。
占い師のスランプですね。
真剣な質問者を前に、スプレッドされたカードから何もイメージが沸いてこない時の心細さといったら・・・考えただけでもゾッとします。
さらに、タロット占いをするにあたって、占者が日頃から心がけなければいけないことは何かというと、繰り返しになりますが、タロットカードから喚起されるイメージに親しむことと、それをストーリー化する力でしょうね。
この「イメージをストーリー化する」ということは、バラバラに存在するイメージをつなげることで、イメージ相互に有機的な流れを作り出し、占者の意識を「問題」の本質や推移に同調させるということになります。
ですから、このストーリー化という行為はタロット占いの成否にかかわるくらい大切なことです。
実際の、カードをリーディングするというレベルでいうと、「コンビネーション・リーディング」が鍵になるかと思います(「コンビネーション・リーディング」については、基礎用語集を見てください)。
ということで、何だか説明があちこちに飛んで、わかりにくかったですね。
もっといろんなことを言いたい気もするんですが、どんどん専門的になっていきそうなので、ここではこのくらいにしておこうと思います。
私なりにタロット占いの根源に関わる話をしたつもりなのですが、いかがでしたでしょうか?
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