まとめ(その2)

 ついに講座もこれで終わり。
 とはいえ、まだ初級段階の終わりですけどね。
 いずれはこの続きで、中級編の講座もやりたいと思っています。

 さて、「まとめ」の第二回目として、これまで触れなかった、私なりのリーディングについての考え書いてみたいと思います。
 これは内容的には初級レベルではないかもしれませんが、次のレベルへの橋渡しの意味もこめて書いておきます。

 ということで、まとめ(その2)です。

 スプレッドされたカードを読んでいくにあたっては、それぞれのカードをどう解釈するかということがまず基本になりますよね。
 その時、占いをする人が、それぞれのカードに特有のイメージを持っているかどうかということがとても重要になってきます。
 原則的には、占いを依頼してくる人は毎回違い、質問の内容もまた毎回違います。
 それなのに別の人の時と同じカードが出たら、やはり同じように解釈するというのはおかしいですよね。

 例えば、Aさん、Bさん、Cさんという3人がそれぞれ別の内容で占いを依頼してきたとします。それぞれの質問は以下の通りです。

■ Aさんは「会社の中間管理職で今上手くいっていない取引先との仕事の今後について」

■ Bさんは「恋愛問題で、最近態度が冷たい彼の気持ちについて」

■ Cさんは「就職のシーズンを前に自分がどんな職業をめざせばいいのかについて」

 そして3人ともヘキサグラム・スプレッドをしたところ、対応策に<魔術師>、最終結果に<ソードの7>が出たとします。

 さてあなたはこの場合、どう読みますか?

 もしここで<魔術師>を「物事の始まり」、<ソードの7>を「裏切り」というキーワードで覚えていたとします。

 それぞれにそのキーワードを当てはめてみましょう。

■ Aさんの場合、対応策としては「新しい仕事をはじめる」最終結果としては「裏切られる」

■ Bさんの場合、対応策としては「新しい展開を求める」最終結果としては「裏切られる」

■ Cさんの場合、対応策としては「とにかく就職活動に励み次の人生にそなえること」最終結果としては「思ったような結果にならない」

 ・・・ということになるでしょうか。

 これはこれで最低限の傾向ぐらいはわかるので良しとするという考えもあるかもしれません。
 でもこれはまさに解説本の解釈をそのままカードに移したのとあまり違わない初心者レベルのリーディングだということになります。
 やはりキーワードだけでカードを覚えていたら柔軟性に欠ける面が出てきますね。

 では各カードをイメージでとらえて解釈したならばどうでしょう。
 まあイメージは各個人で違うので、ここでは私なりの解釈で言います。

 <魔術師>なら・・・

☆「物事を上手く扱える人で若々しく、未来を見つめている様子が感じられる。彼は広く深い知識を持ち、コミュニケーション能力に優れ、さまざまな事態に柔軟な対応ができる。もし彼を人間でなく運勢の流れと捉えたらそれはさわやかで新しい風であり、ネガティブな要素はあまり感じられない」

 <ソードの7>なら・・・

☆「誰かが本人の知らぬ間に、不正なことを行っている。それは暴力的な手段で行われるものではなく、むしろ頭脳的なやり方で行われることだろう。ただし、それを行う人には反省やためらいは無い。むしろ楽しさすら感じられる。困難もありそうだが、彼の悪巧みは成功するだろう。ただし将来的にどう展開するのかはわからない」

 ・・・というように、キーワードの世界に留まらない広がりが出ることになります。

 そしてこれを3人の場合に当てはめてみますと

■ Aさんの場合、対応策としては「これまでと違う新しい仕事のやり方をしていく必要がある。Aさんにはその力があるはず」、最終結果として「ライバルの存在が感じられる。Aさんが見落としたところにその人が入り込んでくる」

■ Bさんの場合、対応策としては「このままでは上手く事態が発展していかない。むしろ自分から問題解決に向かって物事を前進させていく必要がある」、最終結果としては「彼には他に好きな人ができたらしいが、しばらくは二股をかけてくる可能性が高い。彼にはそうなったことに対する彼なりの言い訳があって、Bさんに対し、悪いとはあまり思っていないらしい」

■ Cさんの場合、対応策としては「スキルを求められる仕事を目指すべき。自分の得意不得意をよく自覚し、決まりきった作業の繰り返しになるような仕事は避けるべき。多くの人との接触がある仕事もいい」、最終結果としては「何事も自分だけの判断に依っていては失敗する可能性がある。広く物事を見ること」

 ・・・という感じの解釈に変わってきます。

 ではイメージを持つにはどうしたらいいか。

○ カードの伝統的な意味を知ること。
○ そのカードの作者の意図を知ること。
○ 自分なりに画を見て様々な想像を巡らすこと。
○ これまでの占いの結果とカードの相関関係を考えてみること。

 などなどいろいろありますね。

 よろしければ、心がけてみて下さい。

 では、これにてタロット占い講座(初級編)を終わります。

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