1から10までの数字

 タロットカードそれぞれの意味内容を考察する時、数字というものがとても大切になります。
 特に1から10までの数字ですね。
 (ちなみに12,22,56,78という数字も特別の意味を持ちますが・・・)

 これらの数字のイメージを把握すると、大アルカナカードももちろんですが、特に小アルカナカードが理解しやすくなるので、ぜひタロット占いを上達させたいと思う方は覚えておくといいと思います。
 ここでは参考までに私の考えを述べておきますので、後は皆さんご自身でさらに深い考察を試みてください。

 ではまず、1から10までの数字を3つのグループに分けましょう。
 「1・2・3・4」「5・6」「7・8・9・10」ですね。

 そこで最初のグループです。
 4は最も小さく、しかも完全なひとつのサイクルをあらわす数字ですね。

 仏教に「因縁果報」という物事の流れを表す言葉があります。この概念がとても面白いのですが、つまり物事は原因と結果の2つで完結するわけじゃないということです。
 簡単に言うと、<因>は<縁>を得てはじめて<果>になり。<果>はそのままでは次に結びつかず、周りに影響を与える<報>の段階に来てようやく次の<因>につながるということですが・・・わかりますでしょうか?

 <因>を種、<果>を実がなることとすると、それを結びつける<縁>は種を蒔き、育てる作業ということになります。
 また実はそのままでは新たなサイクルの始まりにはならず、何がそれらを次の季節に蒔ける状態にする必要がありますよね。それが<報>です。
 そこでようやくサイクルがひとつ終わるわけです。

 こういえばもうお分かりでしょうが、「1・2・3・4」という数字の状態はこの「因縁果報」によく対応していますね。
 1で始まり、2で育ち、3で結果を見て、4で次につながるような最終的な完成をを迎える。
 考えようによっては、4は新しい1であるとも言えますね。一段階レベルの上がった1ですね。
 ただし、この場合、4という数字だけが新しい1であるのではなく、
「1・2・3・4」というまとまりが次の1であるということに注意が必要です。

 次に2番目のグループで「5・6」
 これは次なるサイクルともいえますし、変容の段階とも言えますね。
 5でまたしても、違和感が生じます一段階上のレベルを目指すために必然的に生じる混乱と課題。時には争い、時には敗北。悲しみにも通じるかもしれませんが、新たな世界を覗いたという喜びも同時に感じるでしょう。
 5といえば、ペンタグラムは魔術と人間の象徴ですね。また中国の五行説も思い出されます。
 霊的な段階に進むには5がキーワードになるのでしょう。

 6は調和の数。ペンタグラムに対し、ヘキサグラムは神の印。
 偉大なる力があまねく行き渡っている様子を感じます。
 1、2、3とくれば次は4ですよね。ですから4が完成の数なのですが、1、2、3を足せば6となりますよね。
 つまり4は段階的な完成ですが、本当の調和は6でようやくもたらされると思っていいのではないでしょうか。

 最後に「7・8・9・10」のグループ。
 これは世界の完成を表すグループですね。
 大きな意味で言うと、人間の成長が最高レベルに来て、神との合一をはかる段階でしょうか。個人の段階を過ぎて、宇宙との関わりが出てくると言ってもいいかもしれません。

 7はその段階へのとっかかりの数。
 不思議な数ですね。
 割り切れない数ですし、いまいち正体がつかみにくい感じがします。ですがとても能動的で、新しいものを生み出す動きがあるのは感じますね。
 たとえば大アルカナカードから番号の無い「愚者」をのぞいたカードを並べてみると21枚になりますね。これは7の3倍ということになります。
 つまり7枚ごとにサイクルが繰り返されているとも考えられますよね。この時、それぞれのサイクルの最初に来るカードは「魔術師」「正義(ウェイト版の系統では「力」ですね)」「悪魔」となります。
 物質界の始まり、霊的な世界の始まり、そして神的(宇宙的)な世界の始まりをそれぞれ表します。
 なお、さらにその上、神そのものの世界への扉を表す22枚目のカードはありません。もしかしたら「愚者」だけがそれになれる素質があるのかもしれませんが、不確定ですね。

 話がそれました。
 7は5とやや性格が似ていますが、新たな始まりや混乱、不思議な世界をあらわす数字だということを言いたかったわけです。

 では8。
 これは4(完成)が2つ(均衡をはかる)で8になるわけですから、高度な安定を示します。「ちょっとひと休み」のようなニュアンスもありますね。もちろん次なる展開に進むためのひと休みです。ソードやカップでは高次の視点を要求されますし、ワンドでは急激な展開を、ペンタクルスでは積み上げてきたものの成果をあらわすことになります。
 このあたり各スートの性格が見えて面白いところですね。

 9という数字は完成の一歩手前。というより完成に限りなく近い状態ですね。
 3(結果)の3倍ですからね。10は大きな意味での完成ですが、もう次の段階に入っていますし(この辺は4と性格が似ています)その意味では9が物事の最終形だと思ってもいいのかもしれません。
 昔から高貴な数とされてきたのも頷けますよね。
 九星の例を持ち出すまでもなく、大きなサイクルは9で循環します。

 そして10は、さっきも言いましたが、成就を示す数字です。
 ただしトップはすなわち転落の始まりでもあります。
 もう次の目標に向っていますから、安定しているようで、実は動いています。その辺を気にとめておく必要があるでしょうね。

 ・・・ということでいかがですか。なかなか数字について考えてみるのも興味深いでしょう?

BACK TO 【 UNDER A VIOLET MOON 】

COPY RIGHT (C) 2008 ORPHEUS ALL RIGHTS RESERVED