タロットと占星術の対応

 よくタロットカードの各カードには(特に大アルカナカードには)支配星・支配星座がある(例えば『魔術師』なら「水星」『隠者』なら「乙女座」ということが言われますよね。

 そういうことを誰が言い始めたのかはわかりませんが、今ではある程度の対応は確立されているようです。
 実は私もメルマガ等での各カードの解説では、占星術との対応も踏まえて考察しています。
(参照)
 現在、占星術においては、主に占断に使われる惑星は10個、そして星座は12個。足せば22となり、これは大アルカナカードの数と一致します。きっと大アルカナカードと支配星・支配星座の対応というのは、その辺りから発想したものではないのかなと思いますね。

 ところで、あちこちで自らその対応を使って各カードの解説をしておきながらこんなことを言うのはなんですが、その対応というものを無邪気に信用してはいけないと私は思っています。
 というより、私は、本質的にはタロットカードと占星術との間に厳密な対応は無いと考えています。

 なぜなら、タロット側から考えていると良くわからないかもしれませんが、占星術の方から考えてみると、その対応という考えにはいくつもの矛盾を感じてしまうからです。
 例えば、今思いつくままにあげてみますと・・・。

◆1. 惑星(占星術では「太陽」や「月」も惑星といいます)と星座とは全然意味が違った存在で、並列に考えることなどナンセンスだということ。
 惑星はエネルギーの主体ですが、星座は事象を表す死んだ座標に過ぎません。

 例えていえば、オリンピックにおける競技名国名のようなものといえばいいでしょうか?「アメリカの体操」とか「日本の野球」というものはあってもその逆はありませんし(こじつけない限り)、第一、その2つが同レベルの項目だとは思えませんよね。(なんだか例えが適切ではない気がしてきたなあ・・・)

◆2. 惑星の数が10になったのは近代以降ですから、この対応というものにそれほど長い伝統はないということ。
 つまり、この対応というのは、タロットカードが近代以降に獲得した考えでしかないのですが、占星術の世界においても「冥王星」などはいまだに、詳しくその影響自体がわかっていませんし、安易に対応させていいものでしょうか。

 しかも占星術の世界においては、果たして惑星の数が10であるのが正しいのかどうか、その辺も疑問の余地があることなのです。

◆3. 大アルカナカードは22枚でひとつの世界の始まりから終わりまでをあらわしますが、星座は12で完結しますし、惑星は10でまたひとつの世界を形作ります。
 つまりは占星術との関連にこだわっていると、22という数字で全体をくくるのには無理が出てくるということです。
 あえて言えば、12という数字でくくれた方が、対応が考えやすいのですけどね。

◆4. 占星術の常識として、星座と惑星の間にはルーラー(支配星)やイグザルテーションという関係があるのですが、それはタロットでも有効なのかどうか疑問であるということ。
 もし有効でなければ、少なくとも占星術とタロットカードが対応しているという考えそのものが不適切だということにもなりますね。

 ・・・どうでしょう、ざっと考えてもこれだけの疑問が出てくるのですが、それでもタロットカードと占星術の惑星・星座とは対応しているものでしょうか?

 ちなみに、こんなことを言いながら、これまで、なぜ私が各カードの解説に占星術との対応を用いたのかというと、それが正しいかどうかはともかく、何かを前提にして物事の本質を考えてみるという行為自体に意味を感じたからです。
 例えば、
『魔術師』の支配星が「水星」であるという前提で『魔術師』というカードの本質を考えてみると、なにも前提を持たない時よりも考察がしやすいですよね。

 また、こういうと何ですが、カードと支配星・支配星座との対応というものがある程度、世に流布しているということは、それなりに妥当性があるということも考えられますから、任意のカードの意味を考える際に、その概念がよい糸口になるのは確かです。

 ・・・ともかく、タロット占いと占星術は、簡単に対応をうんぬんできるような安易な関係ではないということは言えます。

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