今回はちょっと真面目に、コートカードについて私なりの解説をしたいと思います。
元はメーリングリストに載せていたものです。ここに転載するにあたって、やや加筆しました。
では、「コートカードについて(序説)」です。
コートカードとは何か?
これは小アルカナカードの中にあって数札でないもの、いわゆる絵札で、主にスプレッドの中に出てきた時には、「事象」ではなく「人物」をあらわすことが多いカードのことです。
たいてい【キング】【クイーン】【ナイト】【ペイジ】の4種の人物が描かれていますが、デッキによっては【キング】【クイーン】【プリンス】【プリンセス】になっていることもありますね。
「大アルカナカードがあらわす<物事の本質・エネルギー・元型>が、擬人化されて現実の世界にあらわれたものを示す」ともいわれます。
占い師や研究者によっては、タロットカードを大アルカナ・小アルカナ(コートカード)・小アルカナ(数札)に分類する人もいます。
つまり同じ小アルカナカードであっても、1〜10までの数札とは根本的に違うものだと思ってください。
ところで小アルカナカードにおける各スートの性質とはどういうものでしょう?
簡単に言うと以下のようなことになります。
■ ワンド------火---直感
■ カップ------水---感情
■ ソード------風---思考
■ ペンタクルス--地---感覚
この4つのエレメント及び類型は、実は4種類のコートカードにもまた対応しています。
つまり次の図のようになります。
■ ワンド------火---直感---<キング>
■ カップ------水---感情---<クイーン>
■ ソード------風---思考---<ナイト>
■ ペンタクルス--地---感覚---<ペイジ>
ところで、ここで「そしたらカップのキングは【水】なの、それとも【火】なの?」というような疑問をお持ちの方もおられるんじゃないですか?
まず、それぞれのエレメントの属性を思い出して欲しいんですけど、たとえば「水」なら感情・心の問題・恋愛関係などを主に象徴しますよね。
そこでカップのキングだとどうなるのかっていうと、「感情・心の問題・恋愛関係」における「直感的要素」をあらわすっていうことになりますね。
どうですか?
こういうと、余計にこんがらがってきましたか?
たしかに、これってとても形而上的でわかりにくいですね。
ではわかりやすくするために、さらに上の分類に占星術の要素を絡めてみましょう。
もともと4大エレメントは占星術の中にもあることですね。
ご存じでしょうが、簡単にいうと
【火】は「牡羊座」「獅子座」「射手座」
【水】は「蟹座」 「蠍座」 「魚座」
【風】は「双子座」「天秤座」「水瓶座」
【地】は「牡牛座」「乙女座」「山羊座」
に対応します。
もちろんこれはそのままタロットカードの各スートにも応用できますが、それよりここで問題にしたいのは、占星術のサインの3区分という考え方です。
占星術には先ほどのエレメントで12星座を4区分するという考え方以外に、各宮における運動傾向によって3区分するという考え方があります。いわゆる
【不動宮(フィクスト)】 「牡牛座」「獅子座」「蠍座」 「水瓶座」
【柔軟宮(ミュータブル)】「双子座」「乙女座」「射手座」「魚座」
【活動宮(カーディナル)】「牡羊座」「蟹座」 「天秤座」「山羊座」
という区分法です。
そこで興味深いのは、これらは各スートの<キング><クイーン><ナイト>にも対応しているということです。つまり以下の通りです。
☆【不動宮(フィクスト)】<キング>
獅子座(ワンド)
蠍 座(カップ)
水瓶座(ソード)
牡牛座(ペンタクルス)
☆【活動宮(カーディナル)】<クイーン>
牡羊座(ワンド)
蟹 座(カップ)
天秤座(ソード)
山羊座(ペンタクルス)
☆【柔軟宮(ミュータブル)】<ナイト>
射手座(ワンド)
魚 座(カップ)
双子座(ソード)
乙女座(ペンタクルス)
それぞれの流れは
1.【活動宮(カーディナル)】原始的なもの。本能的なもの。
2.【柔軟宮(ミュータブル)】変わりやすいもの。動くもの。
3.【不動宮(フィクスト)】確立したもの。動きにくいもの。
の順に流れていきます。
ですから【キング】には答えがあります。
ある程度の人生経験をつんでおり、自分というものを確立しています。また反面、頑固で柔軟性に欠ける面もあります。
【クイーン】には物事の本質が関わってきます。ある意味、欲望や本能に忠実でしょう。感情が多くあらわれます。時に思考が後回しにされます。
【ナイト】には動きが必ず伴います。目的がしっかりしている反面、知らず知らずの内に他人を傷つけることもしばしばです。経験不足が露呈されることも多くなります。
ですが<ナイト>にのみ存在する変革のエネルギーは何ものにも代え難い力です。
どうですか、こういう風に見ると人物像がおぼろげながら浮かんでくるでしょう?
後は、これにそれぞれのスートの特性を加えてみてください。
ところで、じゃあ【ペイジ】はどうなるんだって思うかたもおいでですね?
ペイジは、実はこの3区分の外にあるカードなんです。
だからさっきも言ったとおりペイジは他のコートカードと違い、具体的な人物より事象を指すことが多いっていうことになります。しかし他の数札があらわすような事象ではなく、人にもっと密着した事象、具体的には性格や思考に関する事柄をあらわすことが多いですね。さらには人と人との間を激しく動き回ることから、情報の伝達にも関係してきます。
どうですか。興味深いでしょう?
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