逆位置の採用について

 最近、タロットカードの正位置と逆位置には本質的な差がないということをよく感じます。

 世のタロット占い師の中には正位置でしかカードを解釈しない方もいますし、またタロットデッキの中にも最初から逆位置の採用を考えていないデッキもあります。(もちろん使用する側が勝手に採用することはできます)
 私の場合はどうかというと、一応リーディングの際には逆位置を採用しています。ただし逆位置の意味の取り方は一定ではありません。
 試しに大ざっぱに分けてみると、以下の3通りになると思います。

1. 正位置とは意味が逆になると解釈する。
2. 正位置と意味は同じだが、程度が弱まると解釈する。
3. 正位置とほぼ同じ意味だと解釈する。

 具体的にどのカードの場合がそうだとは言えません。やはりその時々で質問の内容やスプレッドの種類、前後のカードの出方などいろんな事を考慮して決定します。ただ「皇帝」の逆位置は1.の場合が多く、「塔」の逆位置はおおむね2.の場合が多いというような傾向はあります。

 ちょっと話がそれてきましたね。

 話を戻すと、カードの正位置と逆位置の違いというのは、結局のところそのカードが表す本質(一種のエネルギー)が、どのようにこの物質界および個々の意識レベルに現れてくるかという、その形の違いでしかないように思います。
 またエネルギー
(適当な言葉は見つからないのでとりあえず「エネルギー」と呼びます)にはもともと善も悪もありません。ですから、どのカードにも本来的な意味での善悪はありません。これはよく言われるところの、「黒魔術というものは本来存在しない。あるのは単なる魔術だけ」というような言葉ともつながってきます。
 つまり良い・悪いと思うのはこの世に生活する私たちの都合でしかないのです。

 ですから正位置のみの占いもあって当然なわけですよね。
 リーディングの際に、そのカードのエネルギーがどの方向にどれほど出ているかということをリーダーが的確に判断すればよいだけの話です。

 ただ「数札のみの小アルカナカードよりも絵札になっている小アルカナカードの方がパッと見たところ意味が取りやすい」ということがあるように、逆位置を採用した方がその時に出ているカードのエネルギーの方向を読みやすいということはありますよね。そしてそれこそが、私がタロットカードのリーディングの際に逆位置を採用している最大の理由でもあります。

 そういう意味では、私自身、ひょっとしていつの日にか逆位置を採用しないリーディングをする時が来るかも知れません。
 もちろんその時には、占い師としての私の実力が今よりだいぶ上がっていることが条件ですね。
 さていつの日になることやら。

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