占い用のデッキは固定すべきか

 どのタロットデッキを使って占いをするかというのは、結局は各人の好みです。
 だいたいの方が、長年やっているうちにお気に入りのデッキができて、主にそればかりを使って占いをすることになると思います。これはプロの方でも多い傾向のようですね。
 なじみのカードを使えば、インスピレーションがわきやすくなるという利点もあります。以前の占いの記憶に照らし合わせて、
「あの時はこのカードがこういう事態を現していた・・・」などという比較が容易ですしね。

 ところが「あまりひとつのデッキばかりを使用しない方が良い」という意見も片方にあります。あるカードが示す内容を、自分の中で固定しがちになるからだそうです。
 確かにその意見にも一理あります。
 タロット占いで最も大切なのは自由な心です。同じカードからでも、占いの対象が変われば別の解釈が出てきて当然なのです。たまには、解説書に書かれているような伝統的な解釈の仕方に当てはまらないようなことや、それとは全然逆の内容が頭に浮かんでくることもありますし、そういう時は、自分の感性を最優先させることになります。

 私の場合でいうと、ここ数年、同じデッキを主に使用してきました。だいたい2,3種のデッキですね。しかもどれもウェイト版の伝統的なデザインのものだったので、デッキを持ち替えてもあまり違和感はありませんでした。
 ところが少し前にあるデッキに一目惚れして(言うまでもなく他の所でも書いていますが
「THE GENDRON TAROT」のことです)、しばしの考慮期間の後、結局、購入しました。
 手に入れたら使いたくなるのは人情ですよね。特にコレクションとしてではなく、占い用で手に入れたからにはなおさらです。
 ちょっとした手続きのあと、私は実際にそのデッキを使い始め、使用感もなかなか良かったので満足しました。そこで今ではすっかり、それがメインのデッキになってしまっているわけですが、そういう中、前述の
「あまりひとつのデッキばかりを使用しない方が良い」という意見もふと思い出して、「たまには以前使っていたデッキも使ってみよう」と、ある方の占いに使用しました。
 結果は悲惨でしたね。
 展開されたカードを前に、何もイメージが浮かんできません。唖然としましたね。少し前まで、確かに使っていたものなのに、何だかデザインに違和感があって、心に響いてくるものが無いのです。
 とにかく展開したカードについて、ひとわたり全体的な傾向を解釈した後(それくらいは何とかできました)、詳しいことはルーンで見ることにしましたが、その時は本当に
「マズイなこりゃ」と思いましたね。

 どうでしょうね、やはり私は、メインで使用するデッキはある程度固定した方がいいと思いますね。気持ちさえ自由であれば、毎回、解釈が固定されるということはあまりないと思います。

 たまに違うデッキを使用するのもいいですが、その時は、いきなりっていうのはやめた方がいいようですよ。
 私も反省しました。

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