///////初歩的質問///////

 ここにいろんな方からいただいた質問のうち、他の方の役にも立ちそうな質問を選んで載せておきます。
 これ以外の質問がある方はどうぞ「TAROT Q&A」の方へ投稿してください。

○質問------------------------------------------------

「はじめまして、わたしの名前は○○○といいます。
 16歳の高校生です。友達に占ったりしてます。
 友達に、○○○の占いあたるわ?、どうしてそんなにあたるん??と聞かれました。
 あたしもそういえば、自分で言うのもなんですが、なんで当たるんやろう??とおもいました。

 なんでですか??
 おしえてください!!」

○答え------------------------------------------------

 さて、どうして占いが当たるのかということですか。説明するのは難しいですね。
 ただ良く当たるのなら、あなたの感性が優れているということでしょうね。

 占いの答えは常に心の中にあります。でも普通の人はその答えにアクセスすることが難しいのです。
 占い師はいろんな道具ややり方で、それにアクセスします。星を見たり、易を使ったり、ルーンを使ったり、手相を見たり。もちろんその目的でタロットカードを使う人も多いですね。

 タロットカードには不思議な力があるといいますが、それも人の心の不思議な力に比べれば大したことはありません。占いというのはあくまでも心の機能を利用するものですからね。
 タロットカードはそれを補助するための道具に過ぎません。

○質問------------------------------------------------

 よく、小中高生向けの少女まんがっぽいおまじないの本ってあるじゃないですか。
 私はそれのタロットカードの本を持っているんですが、そんなのでも、効き目がありますか?
 ちなみにカードは、大アルカナのカードと、オリジナル天使カードと、特製おまじないカードが、付いていました。

○答え------------------------------------------------

 たとえ少女まんが系のものであっても、効果がないということはないですよ。
 結局は気持ちの持ち方がとても大きいですよね
 「こんなカードじゃなあ・・・」って思ったらもうダメですね。
 タロットカードにも沢山の種類があって、伝統的なものから前衛的なものまで、画も形もいろいろですね。
 気に入ったデッキであれば値段の高い低いも関係ないでしょうしね。

 私自身は、画から受ける感じを一番大切にしますね。
 オカルト的な象徴を省かずに丁寧に描かれているもので、人物の表情が豊かなデッキを選ぶことが多いです。

○質問------------------------------------------------

 最近買った新しいタロットカードのことについてなんですが、そのカードでは8番目に「正義」があり、11番目に「力」のカードがあるのですが、これはおかしいのでしょうか。
 せっかく気に入っていたのに、普通のものを買いなおさなきゃいけませんか?

○答え------------------------------------------------

 ここでタロットカードの歴史を言ったら長くなってしまいますが、もともとマルセイユ版のように伝統的なデッキだと「力」が11番目で「正義」が8番目でした。

 ところが、19世紀終わりから20世紀の始め頃、ゴールデンドーンのメンバーを中心にタロットを魔術儀式に取り入れる動きが起こりました。
 そして、その中でタロットの解釈についてもいろんな新しい考えが生まれてきました。
 のちにタロットデッキのスタンダード・モデルになるウェイト版も、その流れの中から生まれてきたデッキですね。

 さて、ここまで言えばおわかりでしょうが、もともと8番目にあった「正義」を11番目に持ってきて、「力」のカードと入れ換えたのはこのゴールデンドーンのメンバー達だったのです。
 もちろんウェイト版でも「力」が8番目で「正義」が11番目になってます。

 これは主に、タロットと占星術・カバラとの照応の中から、その方がより適切であろうという考えでなされた変更だと言われています。

 ですから、あなたがお持ちのデッキは単に伝統的な系統のデッキであるということで、別におかしいわけではありません。
 もちろん占いに使っても支障はありません。

○質問------------------------------------------------

 ヒンズーシャッフルや、オーバーハンドシャッフルなど、手に持ってシャッフルする時、大アルカナ小アルカナ合せて、78枚全部使うとなると、手の小さい私としては、なかなかうまくいかず、崩れて落としたりしてしまいます。

 崩してしまった時などは、もう一度始めから(円をかくシャッフルから始めたとしたら)やり直した方がいいのでしょうか?それとも、そのまま拾い集めて、またヒンズーシャッフルの続きをしてもいいのでしょうか?また、カードを手に持ってシャッフルする時、二等分してそれぞれシャッフルをし、また、二等分して、それぞれを混ぜ合わせたりして、というように、別々に、少しずつシャッフルをして、混ぜ合わせていくのは、駄目でしょうか?

 78枚、まとめてやった方がいいような気がしますが、まとめてやるには、やはり慣れでしょうか?

○答え------------------------------------------------

  実はシャッフルの時、カードをこぼしてしまったり、バラバラにしてしまったりすることは、私にもあります。
 その際に、どう対処するかというのは占者の自由なのですが、私はそのまま拾い集めてシャッフルを続けます。

 またおっしゃるような、「二等分してそれぞれシャッフルをし、また、二等分して、それぞれを混ぜ合わせたりして、というように、別々に、少しずつシャッフルをして、混ぜ合わせていく」という工夫をしても、構わないと思いますよ。
 自分がやりやすい方法をどうか考えてみて下さい。

 ちなみにシャッフルの途中でこぼれて表が現れたカードには象徴的な意味があるという考えもあります。
 ですから、そういうカードは一時的に脇に置いて、後にスプレッドの中に「最終結果」と同じ効力をもつカードとして加えるという手もありますよ。

 あと、78枚でシャッフルをするのは慣れももちろんありますが、ここは発想を変えて、やや小さめのカードを使うという手もありますね。

○質問------------------------------------------------

 ところで、カードについて質問があります。
「THE HIGH PRIESTESS」(女教皇)にアルファベットの「B」「J」が描かれていますが、これは何を意味するものですか?
 最初は善と悪、のような相反する単語を考えていたのですが何かしっくりこないので、伺ってみました。

○答え------------------------------------------------

 これはもろにカバラの影響です。

 実は話し始めると長くなるのですが・・・カバラはご存じですよね?
 そのカバラにおいて、この世の様々な現象がどういう風に成り立っているのか、因果関係はどういう経路を通って現出するのか、事象の骨組みはどうなっているのか・・・というような概念を説明する時に使われる図形があります。いわゆる生命の樹というやつですね。

 (参考ページ)

 さてこの生命の樹ですが、もっともよく使われるのは、『この世界がどうやって形成されたか』ということに関する説明においてですね。つまり、「神の意志」がどう顕現して私達のこの感覚的に把握できる「日常の世界」になったかというようなことの説明です。

 この話はカバラの根元に関わるとても難しい話ですので、どうもここでは説明しきれませんし、私も完璧に把握しているとは言えませんのでこれ以上の詳しい話は割愛しますが、早い話が、この生命の樹に現れている2つの柱、参考ページの画像で言うと左の茶色の柱と右のグレーの柱、これがそれぞれ「ボアズ」と「ヤッキン」と呼ばれるものですが、タロットカードの「女教皇」に書かれている2つの柱はまさにそれのことです。

 「ボアズ」は峻厳の柱もしくは形の柱、「ヤッキン」は慈悲の柱もしくは力の柱とも呼ばれます。それぞれ受動と能動を表し、真ん中の柱がその均衡を図っています。
 ちなみにカバラ系の魔術儀式ではこの2つの柱を表すものを必ず立てます。その時、魔術師は自らを均衡の柱とし、あるいは身体全体で生命の樹を象徴させます。(これはもちろん誰かを呪うための黒魔術の儀式のことではありませんよ、念のため)

 ということで質問の答えですが、「B」と「J」はその「ボアズ」と「ヤッキン」の頭文字です。

 「女教皇(THE HIGH PRIESTESS)」はこの生命の樹に象徴されるオカルトの世界の扉にいる人物ですね。隠された知恵(オカルト)に精通し、時にはその案内人となり、時にはその保護者として不的確な者を厳しくはねつけます。
 占いにおいては優しさより厳しさをより感じさせるカードですが、この「女教皇」は、感情に溢れた「女帝」の一種のアンチテーゼとしての存在感もありますね。ものを考えることの大事さ、真実の知恵の尊さ。

 人間として向上するためにはこの「女教皇」の守る扉を通り、生命の樹に表わされる魂の旅に出る必要があるんですね。

○質問------------------------------------------------

 タロットカードでは、どのくらい先まで占えるのですか?

○答え------------------------------------------------

 たいていの占い師さんは、タロット占いというものは短期の事象を見るものだとおっしゃいます。
 基本的には私もそう思います。

 もちろん1年ほどのスパンで占いをすることも無くはないのですが(ex.「年間スプレッド」を使う時など・・・)通常は3ヶ月をめどにします。

 どうして3ヶ月かというと、その長さが、ほぼバイオリズムの周期に合うからですね。運勢の流れにひと区切りがついて、新しい流れが出てくる頃と言ってもいいかもしれません。
 占星術で考えると、3ヶ月は1年の4分の1、つまり「動き出し(活動宮)」「収束(固定宮)」「流れ(柔軟宮)」という3つの段階をひと通り経て、次に移る期間とちょうど一致します。
 また、3ヶ月という期間をもっと身近な例でいうと、シーズン(季節)というものもありますよね。

 タロット占いは、物事を、その基盤に流れる確固とした法則にのっとって解釈する占いではなく、物事の流れそのものをイメージの形で読む占いであり、その意味では運勢の流れの1サイクルを基準にするのは、至極妥当な考えだと思います。

 また流れは常に変化を伴うので、ある程度、人の意識により方向を変えることも可能です。(逆に言うと、不利な流れを良い方に変えるために占いを利用するのですけどね・・・)
 よって元々の運勢の流れの方向性を占いの結果を知ることによって意識的に変えてしまった場合、次のサイクルが当初予定されていたものとは違ったものになってくるのは道理であり、そのために、次のサイクルをあえて占わないということもあります。

 つまりタロット占いでは3ヶ月先までしか占えないというのではなく、3ヶ月先ぐらいまでを基本に占った時の結果が、暮らしていく上での指針としては、具体的で、かつ有効でしょうということです。
 回りくどい言い方ですが、ご理解いただけたでしょうか?

 蛇足ですが、クライアントが占いの結果をまるっきり無視して、それまでと全く同じ意識・同じ態度でその後も過ごすのなら、タロット占いの有効期間は1年でも2年でも長くすることができるでしょう。

○質問------------------------------------------------

 自分のことを占っても当たらないという話をよく聞くんですが、本当でしょうか?

○答え------------------------------------------------

 ひとり占いってありますよね。
 自分自身のことを占うことですが、ある本にはタロット占いの初心者に、占いの練習としてひとり占いを勧めているものもありました。
 きっとその本の著者は、「占いを始めた当初は、周囲に占いの実験台になってくれる人がなかなかいないだろうから、まずはひとり占いでタロット占いというものがどういうものであるのか実感した方が良い」というような気持でそう書いたのだと思いますが、私はそれは誤った見解だと思います。
 ひとり占いは難しいものです。決して、初心者向きではありません。

 私自身も、少なくともタロットでは、これまでほとんど自分や家族のことを占わずにきました。
(占星術では度々、自分や身近な人たちのことを見ますけれど・・・)

 それというのも、感情や意識の状態がホロスコープに影響を及ぼすことがない西洋占星術とは違い、タロット占いの場合、どうしてもその時々の感情や意識の状態がスプレッドやリーディングに影響を及ぼすと思われるからですね。

 タロットカードというのは、どこかでも書きましたが、自分の心の奥底にある無意識の層に意識を到達させるための道具ですよね。
 でもこの無意識が伝える情報というのは常に言語ではなく、イメージの形をとります。ですからそのイメージを出来るだけ素直に、かつ敏感に感じるような意識の状態でないと、その情報を上手く受け取ることができません。
 そのあたりが、ひとり占いの場合、とても難しいんですよね。
 なぜなら、どうしても願望という厄介なフィルターが意識の上にかかってきますからね。

 でも最近、たまたま自分のことを占ってみる機会があったんですが、その時、「ひとり占いも悪くないな」という感想を私は持ちました。
 というのもひとり占いというのは、「占いの結果」と「現実の結果」との比較という面では、他者占いでは不可能くらい細かい所まで分析ができるということに気づいたためです。
 ただ単に「当たった、当たらなかった」だけではない、「これこれだからこのカードをこう解釈したが、現実がこう動いたので、ここはこうなった・・・」というような流れが把握しやすいですよね。
 しかしこれには条件があります。

 他者占いの経験をたくさん持っていて、その中から、占いをする際に、質問者をどういうポジションに置くかということを心得ている必要があります。
 自分をある意味、突き放して見ることができなければいけませんね。
 そうでないと、さっき書いたように自分の願望に引きずられてリーディングが変な方向に行ってしまうでしょうからね。
 そうなれば結果の検討など何の意味もなくなります。

 プロの占い師さんの中にも「自分のことは占わない、占いたい時には他の信頼が置ける占い師に見てもらう」という方が結構おられるようですが、ひとり占いというのは、それぐらい、とても難しいものだと思います。

 大抵の方は、生まれて初めてタロット占いをした時、とても深いところまでカードが言い当てているような感じがして驚くものです。
 しかし、それをきっかけにこの世界にはまり込んでみて、今度はちょくちょく自分を占うようになってからは、ちっとも当たらなくなったという経験を持つ方も多いようですが、それは上記したようなことを考えてみれば「当たらなくて、むしろ当然」でしょうね。

 ひとり占いは少なくとも初心者の間は、やるのは構わないとしても、ほどほどにしておいた方がいいでしょうね。

○質問------------------------------------------------

 占いをしてみても、よく意味がつかめなかったんですけど、もう一度やり直してもいいんでしょうか?

○答え------------------------------------------------

 「占いの結果が気に入らないからもう一度やり直す」というのは言語道断で、それでは占いをする意味がないということはわかりますよね。
 その場合はもちろんやり直してはいけません。
 でも問題は、よく意味がつかめなかったので、さらにはっきりしたこと、あるいは詳しいことを知りたいのでもう一度やり直してみたい時のことです。

 その場合はどうでしょう?
 占い師さんによっては「どんなことがあっても、ひとつの質問に対しては一度しか占いをしてはいけない」と言われる方もおいでかもしれません。
 そういう考えの占い師さんに「どうしても占いをやり直したい」と言えば、きっと「しかるべき時間をおいてから占いなおしましょう」と答えられると思います。
 またそれがかつてはタロット占いの常識に近いものではありました。
 それはまた、ひとり占いでも他者占いでも同じですね。

 ですが私はよく同じ問題を別のやり方で占い直すということをよくやります。
 さすがに何度もということはないですが、2回ぐらいはしばしばやりますね。
 例えば、クライアントを前にした占いの場合、よりよく状況を理解してもらうために同じ問題をスプレッドを変えて見てみると有効なことが結構あるんですよ
ね。
 ちなみにその時はちゃんとシャッフルをしてスプレッドも変えたはずなのに、重要な位置に同じカードが出るということがよくあって、さすがに『塔』などが連続して出たりすると、こちらとしてもゾクッとすることがあります。

 ちょっと話題がそれてしまいました。
 つまり私は2回ぐらいなら同じ問題をもう一度占ってみるということは別に構わないと思います。
 真摯な気持ちでやることであれば、タロットはきちんと答えてくれますよ。

 ただきちんとした解釈をしようともせず、意味がいまいちよくわからないからもう一度・・・というのは、絶対にダメです。

○質問------------------------------------------------

 「友人が要らないからと言ってタロットカードをくれました。なかなか魅力的な
カードなんで占いに使いたいんですが、他人の物だったので、そのまま使っていい
のかどうか心配です・・・」

○答え------------------------------------------------

 「元の持ち主がどういう人だったのか」ということをまず考えなければなりませんね。
 人間的にも酷い人で、おまけに多くの人の恨みを買っているような人だったら、自分の物にするのは避けた方が賢明です。
 だいたい物には持ち主の波動が伝わるものですし、タロットのように精神面にダイレクトに作用するような物なら尚更のこと、自分以外の人の波動を除去することが大切です。
 でも上記のような人の波動は強くかつ邪悪ですので、「触らぬ神に祟りなし」の態度がもっとも良いでしょう。
 もしそうではなく、持ち主が人間的にも優れていて、かつ占い師としても優れた人であれば、その波動を受け継ぐという選択も無くはありませんね。
 一般的に多い例としては、「元の持ち主は自分の友人で、人間としても普通、まあ嫌なところもあるけれど、おおむねいい人」だというところでしょうか。
 そういう場合は、まあ自分のものとして使ってもかまわないでしょうね。
 ただし簡単な「浄化」をしておいた方がいいでしょう。

 方法は簡単に言うと、

「汚れていたら、きれいな布で汚れをふき取る」
「一枚ずつカードを手にとって、簡単に挨拶する(ここで違和感を感じたら使うことは諦めましょう)」
「良くシャッフルして、ワンオラクルでカードを引いてみる(ポジティブな感じがするカードが出たら使ってもいいでしょう。そうでなければ、しばらく時間を置きます)」

 ・・・などといったことです。

 オプションで「新月から満月に至る任意の夜に、月の光に当ててみる」「自分が好きなお香の煙をくぐらせる(煙が染み渡るようなイメージで)」「ハーブオイルを塗る」という方法もあります。まあこの辺は好みでしょうけどね。

○質問------------------------------------------------

 不要になったタロットカードはどうしたらいいのでしょう?

○答え------------------------------------------------

 これは正直に言って人それぞれで、さほど思いこみも何もないのなら、通常のゴミと同じように処分しても良いでしょう。
 でもいったん深く心と結びついたデッキなら、たとえもう使わないと思っても、そう簡単には捨てられませんよね。
 そんな時には特別な扱いをしてもいいでしょうね。

 考えられるのは、大きく分けて次の4つ。

■ 土に埋める
 これは近くに適当な土地がないと難しいかもしれませんね。
 でも物質の象徴である「地」にかえすという意味では至極妥当なやり方かも知れません。

■ 海や川に流す
 まあ、ちょっと不法投棄っぽいですが、水は物を浄化する作用もありますし、海はもともと生命を生み出した母ですから、その手に委ねるという意味ではいいのかも知れません。
 でも浮いてきてゴミになったのでは最悪ですので、その辺りを考える必要がありますね。
 大洋の真ん中ならともかく、あまりお奨めはしません。

■ 燃やす
 「水」以上に強力な浄化は「火」によるものです。
 物を燃やしても大丈夫だという環境があれば、最もいい方法ではないでしょうか。
 ただし火は危険ですから、取り扱いにはくれぐれもご注意を。

■ 寺や神社などで供養してもらう
 費用もかかる上、ちょっと大げさかも知れません。
 よほど強力なマイナス波動をもったデッキでもない限り、そこまでする必要はないでしょう。

 まあ私なら、思い入れのあるデッキを何らかの理由で処分することになったのなら、感謝を込めて燃やしますね。
 灰を水に流すくらいはするかもしれません。
 みなさんは、どうか自分の気持ちの落ち着く方法をお取り下さい。

○質問------------------------------------------------

 タロット占いをしてみたら、逆位置のカードがほとんどだったのですが、これは何か特別な意味があることなのでしょうか?

○答え------------------------------------------------

 かつて読んだタロット占い解説書に「スプレッドの半分以上が逆位置のカードだった場合、逆位置のカードを正位置に置き換えて解釈しましょう」と書かれているものがありました。
 「へえ、そんなやり方もあるのだな・・」と驚きましたが、私はそのやり方を採用してはいません。

 逆位置のカードは何枚出ようが、逆位置で解釈します。
 逆で出るということには、それなりの意味があることだと私は思っています。
 具体的に言うと、そのカードが元々から持っているエネルギーや性質が素直に外に出てこない場合、あるいは出てくるのに困難がある場合、カードが逆位置になるのだと私は思っています。
 よって逆位置が多いときはその人が本来生きるべき流れから外れている公算が高いですね。
 ですが、それはまた悪いことであるとも決め付けられないので、その辺りは注意が必要です。

 例えばネガティブな感じのするカード<ソードの7>や<悪魔>が逆位置で出た場合、往々にして良くない状況が好転するという解釈ができます。
 これまでの流れだったら悪いままであった状況が何らかのきっかけで良くなっていっているのです。
 逆位置だからといって、悪く解釈する必要が無いということがわかるでしょう。

 ちなみにタロットデッキの中には、最初から逆位置を使わないことを前提に作られているものもあります。
 つまりは逆位置の解釈は正位置のものに基本的に準じると考えていいでしょう。

 逆位置になった時、そのカードの意味が正位置の時とどう変わってくるのか。その辺りは、ぜひ今後の実践の中から感じ取っていってください。

○質問------------------------------------------------

 いろんな本を見てみると、本によって書いてあることがちょっとずつ違います。
 いったいどれが本当なのか、わからなくなってしまいました。

○答え------------------------------------------------

 以前、どこかでケルト十字スプレッドのヴァリエーションの話として、占い師によってやり方が違うというようなことを書きましたが、それは実はタロット占い全般に言えることでもあるのです。

 千年以上の歴史に育まれた伝統の占い(西洋占星術や易などのように)だというのならともかく、タロット占いが現在のような形になり、一般化したのは、ぜいぜいここ100年ばかりのことです。(ただし、カード自体には数百年の歴史があります。)
 ですからまだまだ発展途上の占いと言えなくもないですし、メソッドも確固としたものがあるわけではありません。

 結局はカードの判断もスプレッドのやり方も細かいところでは、各個人がそれぞれに考えてやっているのが現状で、その辺がまたタロット占いのしたたかさと、柔軟性を示しているのですが、これってマニュアルに従って学習しようと思っている人たちには辛い現実かもしれませんね。

 私も、だからこのメルマガで主張していることは、あくまでもORPHEUS流の考えでしかなく、それが他の人にも正解かどうかということは正直わかりません。もし「違う」と思われたら、それはそれで構わないのです。

 ところで上にも書きましたが、いろんな本を見て、どのやり方をしていいのか迷った時には、とりあえずは『タロット占いに関する考えや実際の占いのやり方に共感できる著者のものを採用する』ということにしてやってみてください。
 いずれはそれが指針となって、自分なりのやり方ができてくるものですからね。

○質問------------------------------------------------

 タロット占いというのは、その時はそういう結果が出たとしても、何ヶ月か経って占った時には以前の状況って変わるんでしょうか?
 どうしても、その時出た結果はその通りなんでしょうか?

○答え------------------------------------------------

 タロット占いの結果は絶対ではありません。
 その時々の状況を反映する占いですから、数ヶ月前の結果は、その後の心がけや悪いことを意識的に回避するような行動を取った結果、かなり変わっているとも思えます。
 よって、ある結果について出た答えを、いつまでも気にする必要はないでしょう。

 タロットの占いは、その時々の現象を見通すには最適なのですが、時間の長い流れを明らかにするには、ちょっと苦手なところがあります。
 前にも書きましたが、タロットが扱う期間は、通常は2,3ヶ月。それよりも長いと別の占いを持ってくる必要がありますね。

 もし占いの結果があまりにも気になり、しかも何らかの原因で明らかに運勢の方向が変わったと思った時には、ぜひ、もう一度占い直してみて下さい。
 ただし、そういう時には、必ず前の問題を受け継ぐだけの知識が必要ですね。

 きっと、そういう時、神秘的な意識によって、見事にカードがコントロールされていることが実感できるだろうと思います。

 それはともかく、占いの結果に引きずられて自分の人生の可能性を狭めるほど馬鹿なことはありません。
 占いは利用するものです。盲信してはいけませんね。

 あなたの人生の主役はあなた自身であって、占い師が演出するものではないのですからね。

○質問------------------------------------------------

 鑑定する時はカードの一枚一枚の意味と言うよりも、全体のイメージでとらえるのですか? たとえば、彼の気持ちを表すカードがワンドのクイーン(逆位置)、カップの8、 ワンドのナイト(逆位置)でも、全体的にいい雰囲気なら、その意味も変わってくるのでしょうか?

○答え------------------------------------------------

  確かにおっしゃるとおりで、カードの意味は常に固定ではありません。
 他のカードとの兼ね合いや、その時々の占者の直感で意味が変わってきます。

 ですから解説本などにあるカードの意味などをそのまま覚え込んでスプレッドに当てはめるのは、占いに慣れていない頃ならともかく、ある程度習熟してきたら考え直さなければなりません。

 またカードはおのおの独立させても解釈しますが、何枚かを組み合わせて解釈したり、全体的なイメージからひとつの流れやキーワードを探し出すことも
します。
 また、(図らずもですが)それってとてもタロット占いにおいては重要なことで、おみくじ的な「このカード出たから、こう」という解釈の仕方から脱却し、高度なリーディング(占いで出たカードの解釈)をする第一歩になることです。

 ぜひ周囲のカードをよく見てカードを解釈する癖をつけてください。

○質問------------------------------------------------

 『0愚者』のカードについて。

 今、手元にある本では逆位置になったときの意味が二通りあります。また0のカードをまさしく愚か者と読むものもあれば、「チャレンジャー」として捉えてあるものもあります。
 いったいどう解釈すればよいのでしょう?

○答え------------------------------------------------

 この「愚者」というカードは、正直言って特殊です。大アルカナカードの中でも際だっていますね。

 便宜的に0という番号が振られていますが、もともと数字を持たないカードでしたし、未だに大アルカナカードの中において、どの場所に位置させるのか、その順番も最終的には決まっていません。
 後にトランプのジョーカーに変化したという説もありますが、何かひとつの事象をあらわしているというより、ちょっとオールマイティに近い印象もあります。

 占いに使用した時によく使われる意味でいうと、たいてい2通りに分かれますね。
 「新しい道に踏み出すというポジティブな意味」と「自分勝手で道理に通じない『おろかもの』としてのネガティブな意味」です。
 でも、それらは実は表裏一体のものです。
 「愚者」が持つ方向性や世界観を理解できる者の目から見れば「愚者」は卓越した行動力と知識を持つ優れた人物で、あなたがおっしゃる「チャレンジャー」の要素も持っているでしょう。
 でも「愚者」を理解できない者の目から見た場合はまさに「おろかもの」に過ぎません。

 どちらの意味を採用するのかは、そのカードの出たシチュエーションで判断すべきでしょう。

 タロットカードをリーディングする際の心がけとして忘れてはいけないこととして、決してあるカード一枚だけを取り上げて、その意味にこだわりすぎないということです。
 未来に「塔」が出たらもうすべてはお終いでしょうか?
 現在に「恋人」が出たら恋愛問題は大丈夫でしょうか?
 「このカードは逆位置だとこういう意味だから、この場合はこう・・・」というように固定した考えは持たない方がいいですね。

 ワンオラクルの占いをしている時じゃない限り、周囲に他のカードが出ているはずですし、その他のカードには別のカードを解釈するヒントが必ず隠されています。

 といってもタロット占いに慣れないうちは、そういう見方をするのは難しいかもしれませんね。ですから無理して頭で理屈付けをして他のカードと関連させる必要はありませんが、ただし、心がけとして常に頭の隅に置いておいてください。

 とりあえず私の「愚者」に関するイメージとしては、あるレベルを超えて次に進もうとしている姿です。逆位置になったときでも変わりません。
 ただ自分の立場がよく理解できていない部分はあるでしょうし、その意味で周囲に迷惑をかけることもあるでしょう。

 あなたは「愚者」のカードにどういうイメージを持たれていますか?
 最後に迷った場合、その自分のイメージを決め手にすればいいと思いますよ。

○質問------------------------------------------------

 ORPHEUSさんは御自身の解釈を編み出すまで、「お手本」などを活用されたのでしょうか?
 解釈法を確立されるまではやはり紆余曲折あったのでしょうか??
 アドバイスがありましたらお願いします!!

○答え------------------------------------------------

 確かに紆余曲折ありましたが、さて振り返ってみてどうだったんでしょう?

 自分なりの考えを持つには、やはり他の人の考えをたくさん参考にしましたね。
 つまり本を読みました。タロット関係、魔術関係、オカルト関係、心理学関係、歴史関係。

 ただし、すべてを鵜呑みにしても、ぜったい矛盾が出てきますし、またどの本も正しいとは限りません。正直に言って、初心者向けの当たり障りのない(つまり大して役に立たない)内容の本の方がちまたには多く氾濫しています。その辺を見極めるためにも実践が必要です。
 タロット占いは技術ですから、自分で試して腕を磨かなければ、いくら知識があってもダメです。

 厳しい条件でたくさん他人を占ってみるのが一番良い経験になりますが、それは冒険でもありますからお奨めはしません。
 でも数をこなすことは大事ですよ。それも真剣にね。身近な人たちを多く占ってみてはいかがでしょう。ただし、占いに否定的な人はよほど自分に自信ができるまで相手にしない方がいいでしょう。
 その中から自分なりのやり方やカードの解釈法ができてきます。

 自分の考えがある程度できてきたと思ったら文章に書いてみるのもいいかもしれませんね。文章化すると、考えを整理する助けになります。

 ちなみに、私は以前暇な時に小アルカナカードの一枚一枚(ワンドのエースからペンタクルスのキングまで)を頭に思い描いて、それぞれにどういう意味が隠されているか、ノートに箇条書きしてみるということをしていました。
 私なりのちょっとした暇つぶしのゲームでもあったのですが、それなどは、ひょっとして自分なりのカードの解釈を身につけるために役に立つことかもしれませんね。

○質問------------------------------------------------

 タロットにはたくさんのスプレット方法がありますが、どういう時に、どれを使えばいいのか、いまいち把握できません。

○答え------------------------------------------------

 スプレッドの選択についてですが、実はこれといって決まった法則があるわけではありません。
 質問内容によって使い分けるというのが一般的なやり方でしょう。

 スプレッドには得意不得意がありますよね。
 たとえばホロスコープ・スプレッドなら多方面のことを大まかに見るのは得意でも、あるひとつの問題を深く掘り下げるのは得意ではありません。
 ケルト十字スプレッドは問題の展開を見るのは得意でも、第三者の心情を推し量るのは得意ではありません。
 ヘキサグラムグラム・スプレッドなら展開と対応が見れますが、深さはありません。
 質問との兼ね合いをよく考えてみて下さい。

 もちろんそれぞれのスプレッドの欠点を補うべく自分なりのアレンジを施すという手もありますけどね。
 例えば、「ケルト十字スプレッドにおいて周囲の問題を見る位置に2,3枚カードを重ねて、その部分を多面的に見る」などということですね。

 これは中級レベル以上の話になるかもしれませんが、私は質問に合わせてその場でスプレッドをアドリブで作り出しながら占いをするというようなこともしばしばやります。
 「質問に対し的確なスプレッドが無ければ、自分で作り出せば良い」という考え方ですね。
 こんなことができるところもタロット占いの良さです。

 ところで「それとも、自分のやりやすいもので選んでしまって良いのでしょうか?」という質問もありましたが、まさにその通りです。
 自分のフィーリングに合うスプレッドを使ってください。
 ケルト十字スプレッドやホロスコープ・スプレッドなどはポピュラーなものですが、それが性に合わないという方もおいでだと思います。
 好きじゃないスプレッドを使っても、いまいちリーディングが上手くいかないものですしね。

タロット占いは自由な発想でやってみましょう。

○質問------------------------------------------------

 占いを一度やってから、次にやるまでには間を置くべきでしょうか?

○答え------------------------------------------------

 この場合、同じ質問を占う場合と、そうでない場合で違うでしょうが、もし、違っているのなら、特に「これだけ間を空けなければならない」ということはないと思います。
 もちろん私は仕事として何人かを続けて占うこともあるわけですが、特にそのことで不都合を感じたことはありません。
 ただし疲れを感じたり、気分的にイヤな感じがしたら、無理して続けない方が良いのはもちろんですね。

 また、 質問が同じである場合は、ある程度、間を取った方がいいと思います。
 目安は私の場合、単純に言って3カ月ほどか、明らかに運勢の流れが変わってきたと感じられる時ですね。

○質問------------------------------------------------

 タロット占いをしているのですが、ちっとも当たりません。どうしたら当たるようになりますか?

○答え------------------------------------------------

 これは占いの目的にも関わる問題ですね。
 では、当たらないというのはどういうことか、根本的なことについて考えてみましょう。

 タロット占いの流れとして、スプレッドされたカードをリーディングしてある答えを得たとします。その時、その答えと現実の状況の流れが結果的に違ったものであったら「当たらない」と認識されますよね。

 さて占いをするからには今後の運勢の流れを知りたいという思いがあるのでしょうが、「当たらない」ならばその思いがかなえられないわけです。それは困ったことですね。
 でもここで考えなければならないのは、その当たらなかった未来は、質問者にとって「良い状況か悪い状況か」ということです。

 「当たらない」パターンのひとつに占いの結果が悪いにも関わらず、運勢の流れが悪くなかったというパターンが考えられます。これは確かに占いが当たらなかったことにはなるのでしょうが、質問者の人生にとっては悪いことではありませんよね。
 しかも、実はこれは良くあるパターンなのです。
 どういうことかというと、占いの結果を聞いた質問者が、そうならないように自分の運勢の流れを(意識するかしないかはともかく)変化させたのです。つまり占いを有効に利用したことになりますね。

 タロット占いの目的がもし「人生をより良くするためにする」ものなら、これは当たらなかったけれど目的は達したといえるのではないでしょうか。

 占い師にとっては痛し痒しかもしれませんけど、こういう外れ方なら歓迎すべきでしょうね。

 しかし、その他のパターンも考えられますね。
 占いの結果が良かったにもかかわらず、実際の運勢の流れが悪かったという場合です。
 本当に問題になるのはこういうパターンだと思います。

 でもこれには大きく分けて2つのの原因が考えられます。

○ カードがきちんと未来の流れを示しているにもかかわらず、それを適切
  にリーディングできなかった。

○ リーディングは適切だったのに、質問者が自ら悪い方向に運勢の流れを
  捻じ曲げてしまった。

 最初の原因なら、それは占いの技術を磨くしかありませんね。
 それについてはこれまで何度も言ってきましたが、多くの人を真剣に占ってみて、その結果から素直に学ぶことですね。
 本を読むのもいいかもしれませんが、結局それは間接的な経験でしかなく、実占にはかないません。

 ポイントは「環境をととのえること」「イメージを大切にすること」「他のカードとの兼ね合いを常に考えること」「質問内容をはっきりさせること」などですね。
 その他にも、もちろんいろいろ考えるべき点はありますが、それはここでは書ききれません。
 いずれどこか別の所で改めて解説しましょう。

 また、2つ目の原因ならこれはタロット占い自体よりも、それを伝えるやり方が間違っていたのかもしれません。
 でも、これはどこまで占者が質問者のことをフォローすべきかという問題にも関わってきますから、ある意味、仕方の無い問題かもしれませんね。
(基本的にプロじゃない限り、そこまではフォローする必要は無いと思います)

 ということで・・・こんな所で答えになりましたでしょうか。